Re: Writing Machine

Teoreamachineの小説ブログ

2015-11-03から1日間の記事一覧

誘惑の炎、存在の淵 その2

炫士は茶碗の中の白米の柔らかい粒を黒塗りの箸の先でつつきながら、正面に座った父親を見ていた。病のせいでやつれ、小さくなったように見える。白髪の、特筆すべきことは何もない、どこにでもいる中年の男、それが炫士の父親、岐史だった。本当に幼い頃に…